◆「ヒトラー最期の12日間」
昔観たがもう1度観た。今回はシュペーアの本を読んだ後なので、登場人物たちの動きをよく理解できた。
◆「コールド・マウンテン」
南北戦争中の戦場と故郷の様子について。村から成人男子がいなくなると、ならず者や悪党が義勇軍を名乗り地域を支配するようになった。かれらは脱走兵を狩り出して射殺した。
主役とヒロインの恋愛が話の軸となっているが、わたしにとっては付属物に過ぎない。戦争と銃後の社会を描いた場面、アメリカの景色の方が印象に残る。
音楽にはネイティヴアメリカンの歌のほか、ゴスペル、カントリーが使われており、ホワイト・ストライプスも登場する。
巷ではご都合主義のメロドラマとあまり評判がよくないが、冒頭のクレーター戦闘、郷土防衛隊の様子だけでも観る価値はあると考える。
◆「イノセントボイス」
中米の不幸な国について。
12歳になると政府軍に徴兵される少年たちの話。内戦によって政府とゲリラとの銃撃戦が日常化しており、一般市民は安全な場所がない。
演出は感傷的で、若干くどい。
◆「ローズマリーの赤ちゃん」
以下ネタバレ
俳優とその恋人ローズマリーはニューヨークのアパートに引っ越してきた。ところが隣人の老夫婦たちは悪魔崇拝を行っているらしく、俳優は出世のために自分たちの子供を悪魔に売り渡そうとしている。
ローズマリーは自分の子供を崇拝者たちに奪われた。子供の眼は悪魔の眼のようだった。
不気味なアパートと、奇怪な隣人たちが登場する映画。
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◆「アルマジロ」
Youtubeで期間限定公開されていたので観た。
アフガン治安支援部隊(ISAF)に派遣されたデンマーク兵を取材する。
基地を基盤として、敵ゲリラと住民の住む地域をパトロールするという形式が、古典的な戦争形態という印象を受ける。
◆「アザーズ」
古い屋敷に住む親子が、幽霊に悩まされる映画。
どんでん返し形式の映画だが、序盤から既に何かを隠している気配が漂っている。
音楽や屋敷の内装等にこだわりがある。
◆「ワンスアンドフォーエバー」
原題はWe were soldiers
ベトナム戦争初期のイア・ドラン川の戦闘が舞台で、敵は北ベトナム軍である。
否定的な評価しかないベトナム戦争において、前線の兵士たちが悲惨な戦いを生き抜いたことに焦点をあてている。かれらの多くは徴集兵だったが、勇敢に戦った。
敵が走ってくるのが間近に見えるような超近接戦闘だがはたしてここまで距離が近かったのだろうか。わたしの知識だと、通常は敵影が見えることもほとんど無かったというが、よく調べなければならない。
米軍、北ベトナム軍ともに、兵隊の背後にいる家族を映している。
映画に政治的主張を求める人たちの間では「ベトナム側の視点が足りない」、「アメリカ万歳だ」という批判もあるようだが、そのような印象は全く受けなかった。逆に、当該戦争の正当性や正義・不正義といった問題は意図的に避けられている。
悲惨な戦闘と、愚直に戦う兵隊たちに着目することで、戦争への疑念を表明していると感じた。
◆「ザ・ロック」
海兵隊准将が、秘密作戦で戦死した海兵隊への扱いに怒り、化学兵器を強奪して身代金を要求する。
この映画のポイント……准将やジェームズ・ボンド等、エリート戦闘員にも人間的な感情がある。
ガラスボール状の化学兵器弾頭がぞんざいに扱われているので笑った。
◆「ペイルライダー」
以下ネタバレ
村人を立ち退かせようとする悪徳金採掘業者と、謎の牧師が戦う。牧師は戦闘力が高く、業者の手下や、雇われ悪党たちを全て射殺する。
「シェーン」を下敷きにしたらしいが話はほぼ同じである。
見どころは、イーストウッドの超人的な強さである。
ペイルライダーとはヨハネの黙示録に出てくる死神、青ざめた騎士のこと。背中に6つの弾痕があり、かれを知っていた悪党保安官も同じ弾痕を受けて死んだ。
◆「カティンの森」
ソ連によるポーランド将校虐殺が題材の映画。
戦後、ソ連邦に編入されたため、虐殺はドイツの犯行とされた。ソ連が実行したことはポーランド人の間では公然の秘密だったが、真実を表に出そうとするものは取締りの対象となった。
墓石に書き込む文言も弾圧の対象となり、遺族は「殺害者」とともに生活しなければならなくなった。
最後の実行風景は圧倒的である。青緑色のNKVD正帽があったと記憶する。