うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『インドネシア イスラーム主義のゆくえ』見市建

 世界最大のムスリム人口を抱えるインドネシアにおいて、イスラームがどのような状況かを説明する本。

 「イスラームと暴力」、「民主化と穏健なイスラーム主義」、「左翼思想」ほかポップなイスラーム等の項目に分かれる。

 

 911後におこったバリ島爆弾テロ事件は、インドネシアにも、国際的な反米テロ組織のネットワークが存在することを示した。元来インドネシアイスラームには、政治的・宗教的主張を掲げる過激団体が根付いている。

 イスラーム主義とはイスラーム法に基づく統治を目指す集団であり、スハルト時代には、多民族の統一を妨げるものとして迫害された。やがて、スハルトの政策転換により、イスラーム主義は表立った活動が可能になる。同時に、生活レベル、個人のレベルからのイスラームの採用を目指すのが「イスラーム復興団体」である。

 ほか、細かい説明があって、省略する。

 ――インドネシア政治の現状においては、正当化の論理を提供する一つのことばは見当たらない。権力は分散し、1つのイデオロギーによって体制を理解することは不可能であり、また「左/右」、「イスラーム主義/ナショナリズム」といったイデオロギー的な二項対立で政治をとらえることはできなくなっている。

 イスラーム運動にはさまざまな種類がある。自主的にヴェールをつける女性たち、人気説教師のイスラーム関連商品等は、これまで知らなかった。 

インドネシア―イスラーム主義のゆくえ (平凡社選書)

インドネシア―イスラーム主義のゆくえ (平凡社選書)