あの夕陽が……
交換手の
やわらかい屋根を
指で押すたびに、黄緑の表皮がへこみ、
棘はみな
生きて呼吸をつなぎ、ひもとなっていく
月ののぼるとき、2回めのとき、
鉄条網の
整備のために鳥籠を
解放するわたしは眼のない人夫を使役する
鳥籠、
それで。
わたしは、ハサミや小刀を持つ警察官のグループを
見る。それらに、鍛えられた筋肉が
付着している。
かような、鳥籠の図。
なぜなら、わたしたちは眼を持っていて
蝋で保護されている、
相手の声を聴いて、音をたてて、鉄条網をたたむ。