『トラークル詩集』

色彩をやたらとつかうのはヘボ詩人のやること、とゴットフリート・ベンが批判した際、その例外としてあげられたのがトラークルである。ベンの賞賛の通り、どの詩にも大抵「なに色の」ということばが含まれていて、鮮烈な印象をあたえる。 ひなびた農村、田舎の風景、木、草、家の壁、墓地といった身近なものが主題だが、と…