『生誕の災厄』シオラン

ルーマニア人の随筆家。暗い雰囲気の断章が続く。 作者は、生まれてきたことが不幸なことだとくりかえし書く。かれの脳みそでは、不幸と呪いはわけられている。 ――不幸は受け身の、忍従の状態だが、呪いは逆方向ながらある選抜がおこなわれたことをしめし、使命とか内的な力とかいう観念を想定させる。そしてそれは不幸に…