『ユンガー=シュミット往復書簡』

――権力を増強しようとする要求は人間の値打ちが下がるに従って大きくなるものです。 三十年代の中ごろから文通ははじまるが、ユンガーがナチスと距離を置いている一方、シュミットはナチ政権下ドイツでザクセン枢密顧問官に任命されていた。シュミットの立場や信念はまだ把握していないが、反ユダヤ主義や退廃芸術といった…