『兵士イワン・チョンキンの華麗なる冒険』ヴォイノーヴィチ

間抜けで朴訥な兵隊イワン・チョンキンが、ソヴィエトの巨大な官僚組織……軍隊、秘密警察、新聞、学界を混乱におとしいれる物語。墜落機の見張りのために村に派遣される前半部は退屈だが、秘密警察がチョンキンに目をつけ、逮捕状をもってやってくるあたりから、嘘はふくれあがっていく。小説の全編にわたって、硬直化した…