『ドゥイノの悲歌』リルケ

――ああ、いかにわたしが叫んだとて、いかなる天使が はるかの高みからそれを聞こうぞ? 冒頭のなげきからはじまり、抽象的なところから、風景まで、場面がうつりかわる。世界空間と、自分たちにたいするなげきがつづく。ことばには古い語句もあるが、読みにくいわけではない。 この世はなげきに満ちているという印象をうけ…