◆「ザ・ウォーク」
昔、労働中眠くなったときに、よくパルクール動画やエクストリームスポーツの動画を見て眠気を覚ましていました。
それらと関連して、Netflixで公開中の「ザ・ウォーク」を見ました。
綱渡りという芸に取りつかれた人間の映画です。目標や夢が生きるために不可欠であると感じました。
Amazonレビューでは、「迷惑Youtuber」、「犯罪」との低評価が目立ちます。一心不乱に綱渡りの実現を目指す主人公に感動したわたしは、おそらく順法精神に欠ける人間なのでしょう。
舞台になった世界貿易センターが印象的で、制作者はおそらく追悼の意味も込めているのではと思いました。
◆昔話つながり
小沢俊夫『昔話の語法』がとても面白かったので、続けてリュティの『ヨーロッパの昔話』を読んでいます。
口承の特性がしっかりと残されているという、『日本の昔話』と『グリム童話』(いずれも小沢俊夫監修)も買いました。
◆なぜ昔話なのか?
いわゆる写実的な小説……18世紀以降の小説が最近読めなくなってきた(冗長部分で挫折する)ので、異なる方向性を探し始めたのがきっかけです。
部屋や町の描写が数ページ続くと挫折します。昔は読めましたがいまは嗜好が変わって高確率で投げ出すようになりました。
今でも退屈しないカフカが、口承文学の性質を強く残しているという論考を読んで、昔話を集中して読もうと決めました。
昔話が持つ独特の文体や様式がとてもいいと思います。
◆その他
中国文学研究者の井波律子が訳した水滸伝が、Kindleでセット販売していました。
水滸伝の完訳ではいちばん新しいですが、あまりレビューがないようです。
駒田訳は定評があり買おうとしたがうまく注文できなかったので、井波訳にしました。