今読んでいるGuy Sajerの「The Forgotten Soldier」は、アルザス出身のフランス系ドイツ人による東部戦線の回想録である。
著者はドイツに占領されたアルザス地方のフランス人で、未成年で国防軍に徴兵され、はじめは兵站部隊に、その後志願して戦闘職種である「大ドイツ師団」に配属されソ連との戦いに参加する。
フランス語なまりがひどいため、仲間からはよくからかわれている。ドイツ人とフランス人はそこまで深刻な憎悪関係にはないようだ。
東部戦線のドイツ軍は、補給こそ日本軍よりまともだが、徐々にソ連の物量(兵数、航空機や戦車の数)に圧倒され敗走する。
西へ西へと追い立てられるドイツ軍の様子が描かれる。
本書を読むと、戦場で最大の威力を発揮しているのは砲弾であることがわかる。
両軍が至近距離で銃撃を行うことはあまりなく、遠方から飛んでくる砲弾で大半の兵隊はバラバラにちぎれて死ぬ。
それまで平和な人生を送ってきた中高生程度の若者には、戦場の現実はあまりに過酷であり、皆頻繁に嘔吐し、一部のものは発狂す
幼いヒトラーユーゲントたちは、サッカーの敵チームについて話すかのようにソ連兵についてあれこれと質問してきた。この少年たちの多くは砲弾で粉々になり、または戦車にひきつぶされてひき肉のようになった(著者は戦車に踏みつぶされた人体がひき肉になる様子が目に焼き付いたと書いている)
The Forgotten Soldier (Cassell Military Paperbacks)
- 作者:Guy Sajer
- 出版社/メーカー: Cassell Military
- 発売日: 1999/07/15
- メディア: ペーパーバック