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ドイツ、米軍撤退に伴うシリア派兵要請を拒否

 表題について、今週、ロシア御用メディアRTでニュースになっていた。

 

 米軍はシリア駐留部隊約2000名を撤退させ、200名の特殊部隊のみ残置する方針である。この空白を埋めるために、米特別代表がドイツに対し派兵を要請したということだった。

www.rt.com

 

 RTを引用しているが、念のため、西側の主要メディアも報じている。

 記事によれば米側の要請は、輸送や補給、技術支援、訓練といった後方任務が主だった。こうした地上部隊の目的は、クルド人勢力の支援である。

 

 アメリカは今月中に回答を求めていた。メルケル首相はこれを拒否した。

www.reuters.com

 

 ドイツは反IS作戦のための有志連合に加盟しており、現在も航空偵察や空中給油任務を実施しているが、地上部隊派遣は議会の反対により実現は難しい。

 

 一方、イギリスとフランスは撤退する米軍に代わって地上部隊を派遣する予定である。ただし、費用はアメリカが負担するとのことである。

www.theguardian.com

 

 米軍撤退とドイツへの打診、また英仏の派遣に関する記事は日本では報じられておらず、唯一日本語で記事を出しているのは中国国際放送(国営ラジオ)のみである。

 

 トランプ大統領は合衆国伝統の孤立主義政策を進めるために、シリアやアフガニスタン等からの撤退、同盟国との関係見直しを進めている。

 シリアにおける米軍撤退(正確には大規模削減)は、選挙時の公約に基づく動きであると考えられる。

 

 ISが壊滅状態となった現在、シリア内戦はロシアとトルコが掌握しているが、米軍が撤退しクルド人勢力が弱体化した場合、再びISが台頭するのではないかと懸念されている。