各時代ごとの政治家、官僚、軍人等の日記を紹介する。
1つ1つの章は短く、各歴史的人物とその日記のガイドのようなものである。
日記は歴史的事件から間をおかずに書かれるため、改変の度合いが少なく、当時の状況を細部まで知ることができる。
一方で、記録者の主観が強く入っているため、利用するには史料批判が欠かせない。
史料の発見や公開によって、日本史研究が大きく進むことがわかる。よって、歴史研究は常に変化することを念頭に置かなければならない。
私たちの過去への認識は常に限られた情報で推論するしかない。
『大正天皇実録』は大半が黒塗りで公開され、また多くの部分が非公開である。昭和天皇は日記を書いていたというが、皇后の死とともに陵墓に埋葬された。
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大久保利通:謹厳実直、冷淡
木戸孝允:感情豊か
植木枝盛:自由民権運動や立憲運動に関わる一方、「廃娼論」を書いたにも関わらず数年間で200人以上の売春婦を利用した。
近衛篤麿:近衛文麿の父
宇都宮太郎
伊東巳代治
原敬:平民宰相で、始めはよく人と対立したが、やがて桂園時代を参考に党派同士の協調を志すようになった。日記の量、質とともに、日本でも屈指の貴重な資料となっている。
倉富勇三郎:みみずのような読みにくい字
後藤新平:飽きっぽい性格が日記にも出ている。
松本剛吉
濱口雄幸:優れた人格を持っており民政党の指導者として申し分のない地位にあった。
大蔵公望
原田熊雄:西園寺の腹心として情報収集に努めた。
矢部貞治・岡義武
重光葵:巣鴨監獄で『昭和の動乱』を書いた。弁明も見られるが資料価値は高い。
石射猪太郎・天羽英二:傍流外交官とエリート外交官
財部彪:戦間期の海軍を担った人物
宇垣一成:自信と「!」に満ちた日記
真崎甚三郎:皇道派の指導者で、日記は歴史学者によく利用されている。
奈良武次・本条繁:侍従武官長
木戸幸一:軍部と協調し、天皇と一緒に東条を重用するが、戦局が悪くなり終戦工作を行った。
細川護貞:高松宮の御用掛。『細川日記』は、戦争末期における中央での情報収集と、高松宮への報告からなり、史料価値が高い。
梨本宮伊都子
寺崎英成:免責工作の1つである『昭和天皇独白録』が発見され、天皇研究は大きく発展した。
――ところが独白録には、天皇が、「立憲君主」として行動したことを示唆する記述がある。それは対米開戦後から敗戦にいたるまでの時期を対象とする、第二巻の特徴となっている。ここでの天皇は、あたかも「大元帥」のようである。天皇は高度な軍事情報をもとに兵力と作戦を分析し、戦争指導に関与している。欧州情勢を的確に判断しながら、アジア太平洋地域における作戦行動を指示する。これは「大元帥」の姿である。
河井弥八・木下道雄
入江相政:公刊されている日記は編集、削除を経ているため注意が必要である。
富田朝彦:「富田メモ」を残した宮内庁長官。メモの真実性は立証されており、昭和天皇がA級戦犯合祀に不快感を抱いたのは間違いないとされる。
芦田均:政党政治家として出世の道にあったが、鳩山派閥を裏切り若槻内閣に入閣し、道を閉ざされる。
佐藤栄作:戦後の首相で唯一日記を残している。
楠田實
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