タイムスリップ、宇宙人、架空の作家といった道具を使い、第二次大戦における経験を伝える物語。
主人公は自分の半生を次々に移動しながら、ヨーロッパで捕虜となり、ドレスデン空襲を目撃した思い出を語る。
戦時中、人びとはみじめに死んだり、こっけいに死んだりする。ドレスデンのじゅうたん爆撃を受けた後、町は「月面」そっくりになっており、捕虜たちが地上を歩いて郊外に避難するあいだ、生きている人間はまったく見当たらなかった。
戦争や人間の蛮行に対する強い嫌悪が感じられる。
短い断章が繋ぎ合わされてつくられており読みやすい。「そういうものだ」、という台詞の繰り返しが印象的である。
スローターハウス5 (ハヤカワ文庫SF ウ 4-3) (ハヤカワ文庫 SF 302)
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/12/31
- メディア: 文庫
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