うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

金切り声の山

 影そっくりのもの。
 
 わたしと、となりの影を
 まねるように、時計の
 針のゆらぎはあるが、
 この児童が持っている、ウサギの
 耳の形をした時計の針を
 見つめているうちに
 日が暮れて、わたしたちは影の
 国のなかにすっぽりと
 吸い込まれる。
 
 こうやって
 昨日の無くなった日に立って
 わたしたちは号令をかける。
 緑の丘では、爆弾を背負った児童が
 放射状に走る。

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