ワヤンはインドネシアの伝統芸能であり村や町で人を集めて開催される。マハーバーラタやラーマーヤナを基にした劇が半日かけて、または夜を徹して行われるため、観客は好きな時に昼寝したり歓談したりする。ガムラン演奏者もうとうとしていることがよくある。
話の元はヒンドゥー教の経典や土着の神だが、イスラーム教神秘主義の要素が含まれることもある。
人形遣いはダランと呼ばれ、尊敬を受けている。
この本はダランの紹介のほか、荒唐無稽な劇のあらすじが脈絡なく紹介される。ほか、影絵人形の図像が多数掲載されている。
***
ワヤン・クリ……影絵芝居
ワヤン・ゴレ……木偶人形芝居。西部ジャワ一帯
ワヤン・オラン……俳優芝居
***
ワヤンは社会批判や風刺の要素を多く含むものであり、また題材もキリスト教、イスラーム教、仏教、土着の神話、オランダに対する抵抗運動と多岐にわたる。
◆その他
ワヤンをやっている劇団の講演が東京都であったので、1度観に行ったことがある。細かく作りこまれた影絵人形の動きがおもしろく、印象に残った。