一般的に知られていないスイスの歴史や社会を紹介する。
焦点は、スイス社会の閉鎖性と、第2次世界大戦を生き延びるためにどのような方策をとったかとにあてられている。
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政府は優生学に基づき1920年代から70年代まで、ロマ族の子供を誘拐し施設に預ける、里親に預ける等の政策を実施し、ロマ(ジプシー)の絶滅を目指していた。
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ナチス政権時代、ユダヤ人の流入を阻止するためドイツに積極的に働きかけた。スイスは伝統的に反ユダヤ主義が根付いており、また難民のコントロールも重視された。
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スペイン内戦に義勇軍として志願した者は国民皆兵の義務を怠ったとして刑罰を受けた。また、違法にユダヤ人難民を受け入れた警察官も職を失い罰を受けた。
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冷戦時代、核保有の検討が続けられ、核兵器の研究が進められた。
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スイスは相互監視社会であり、住民はすぐに警察を呼ぶ。また、スイスへの移住を認めるかどうかについて、住民投票が行われる自治体がある。
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近年はネオナチの台頭が目立つ。また、民主主義、地方分権を重視し、EUや中央政府、移民の流入に反対する国民が増えている。
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スイスの銀行は顧客のプライバシーを保護するよう法律で定められているため、マネーロンダリングの温床となっていた。現在は、犯罪や汚職にかかわる口座は警察に通報しなければならないが、根絶はされていない。
また、スイスでは税金逃れは犯罪ではないため、脱税のため外国人が金を預けてもそれを通報する義務はない。