竜王が将棋の魅力を紹介する。
将棋は技術だけでなく精神力も要求される。相手との駆け引きや、態度が勝負を左右する。
どのような手を打つか考えるためには、長時間にわたる集中力のコントロールが必要である。
戦型には大別して居飛車と振り飛車の2つがある。相手に合わせて戦型を選ぶ段階から勝負が始まっている。
著者は年40局から50局指しているが、月に3から5局である。それ以外の日は「基本的には将棋の勉強をして」いる。
勉強法……公式戦の棋譜を並べる、詰将棋を解く、他のプロと研究会をつくり、お互いに練習する。
プロは関東と関西に分かれ、関東は関西の2倍である。このため、関東の方が研究会が盛んである。関東棋士が流行の戦法をよく用いるのに対し、関西棋士は力勝負が多い。しかし、勝率は互角である。
プロになるには中学生・高校生頃までに奨励会に入る必要がある。大抵の棋士は高卒である。
――もし棋士になりたいと言ったらどうするか? ……ある程度までは教えますが、プロの養成機関である奨励会に入ったら、その後は教えません。強くなる子というのは自分で何をしたら強くなるかを考え、実践できるからです。誰かに言われて勉強するのでは長続きしませんし、放っておいて勉強しないのならば、将棋への思いがその程度だったということ。
奨励会は6級から始まり、4段でプロとなる。21歳までに初段を、26歳までに4段にならないとクビである。
将棋にはコーチというものがないので奨励会員は独学で能力を向上させなければならない。
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プロ将棋は主に新聞社がスポンサーとなっている。
名人戦の予選は順位戦と言われ、C2、C1、B2、B1、A級のリーグに分けられる。
棋士の実力は順位戦でほぼ測定できる。トップ棋士と4段の実力差はそこまで大きくない。7割の勝率を維持しているのは5人もいない。
女流は別のプロ組織を形成している。
――実際に女流のトップ棋士である矢内女流名人、中井女流6段、千葉女流3段は奨励会に在籍していました。いずれも初段手前まで昇級したものの、初段の壁を超えることはできませんでした。その後、奨励会に入会した女性はいるものの初段に到達した例はありません。
男女差の理由として著者は競技人口の違いを挙げている。
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負けから何かを得て次の糧にすること、同じミスを犯さないことが大事である。
将棋は技術以外にもメンタル面が重要なゲームである。
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参考書籍、ネット将棋のサイト、テレビ番組、雑誌等の紹介つき。