夢の世界を題材にしたフィクション。作者はチリ生まれで、シュルレアリスムの作品を制作したという。
チリのある町に住む男ダゴベルトは、子供の時に好きだった女の子が死んだことを新聞記事で知る。ダゴベルトは悲しくなり、長椅子に座ると夢うつつの状態に陥る。かれは見知らぬ女に案内されてパースの城にたどりついた。
ダゴベルトはおよそ800年前に移動し、騎士パースの持つ古城に迷い込む。この城において、ダゴベルトが好きだったベアトリスをふくむ数人の女が出現し寸劇を演じる。
死刑執行人に首を切られるなど危ない事態も起こるが、最後は無事夢から覚めて現実に戻ってくる。そのときには、初恋の相手ベアトリスが死んだという事実だけが残る。
城に迷いこみ、チェス・ルーム、伝書鳩、悪魔、石像の騎士、炎の剣などを相手にする。場面から場面へは、夢のように唐突に移動する。