フランスの文芸作品は幅が広く、自分もまだ読んでいない作者や本がたくさんある。
個人的に面白かった本:
・『モンテ・クリスト伯』、『レ・ミゼラブル』、『ジャン・クリストフ』等の長編
・幻想文学(マルセル・ブリヨン、アンリ・ミショー、トニー・デュヴェール)
・レオン・ブロワ『絶望者』、『貧しき女』
スタンダール……『赤と黒』、『パルムの僧院』が有名で、写実主義の元祖ともいわれる。ナポレオン戦争の場面もあり退屈はしない。
ゾラ……『ジェルミナール』は炭鉱の暴動を書いた作品。
フローベール……あらすじだけに注目するとどうということのない本だが技術的には重要らしい。自分にはそれがわからなかった。
バルザック……『幻滅』は野心に燃える器の小さい青年を描く。当時の新聞・文芸業界の様子を知ることができる。
◆ロマン主義、冒険物、大河小説
ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』
デュマ『モンテ・クリスト伯』、『三銃士』
ルブラン……ルパンシリーズ
◆実験的なもの、文体や構成に重点を置いたもの
レーモン・クノー『文体練習』
クロード・シモン『フランドルへの道』、『アカシア』等
トニー・デュヴェール『幻想の風景』……翻訳は3点程しかないが、犯罪や社会の様子が不思議な文体で表現されておりおもしろい。
アントナン・アルトー
サミュエル・ベケット
ウジェーヌ・イヨネスコ
アラン・ロブ・グリエ
◆古典的な本
ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエル』
モンテーニュ『エセー』
有名な本で実際に読むとおもしろい。
◆詩、シュルレアリスム、幻想等
アンリ・ミショー
荒唐無稽な乱交・拷問風景と、悪者風の哲学弁論が特徴。
レーモン・ルーセル
パイロット兼作者で、当時から熱狂的な読者が多かったようだ。どのように生活するのかを追求した作品がおもしろい。
◆レオン・ブロワ Leon Bloy
エルンスト・ユンガーにも言及されている強烈な作家。信心深いカトリックだが、中世を崇め現世を罵詈雑言でこき下ろすという珍しい小説を書く。
◆その他
『異邦人』、『ペスト』、『転落』、『シーシュポスの神話』等。
アンドレ・マルロー
スペイン内戦や共産主義運動を題材にした作品を書いた。しかし、読んでいてそこまで主義主張の匂いは感じない。
ルイ・フェルディナン・セリーヌ
『夜の果ての旅』は第1次大戦とその後の陰惨な景色を描く。『なしくずしの死』は、確か孤児たちの腐敗した生活を題材にしていた。
エミール・シオラン……ルーマニア人だが、フランス語でも本を書いている。
ポール・ゴーギャン
近代の画家。イギリス人サマセット・モームの『月と6ペンス』のモデルになった。
分類としては評論家、批評家と思われる。『文学の思い上がり』は、フランス文学の浮世離れした傾向を批判する。明治以来のフランス文学との関わりにより、本書が標的にしている傾向は日本の文学にも受け継がれている。そのため大変納得する点があった。
『戦争論』は古代から近代にいたるまでの戦争の概念や実態の変遷をたどる。戦争が一貫して破壊行為であったことがわかる。
アンリ・ミショーHenri Michaux