うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『階級』ポール・ファッセル ――人からどう見られているか気になるアメリカ人

民主主義社会であるアメリカにも階級が存在するが、そのことについて大っぴらに話すのはタブーとされているという。 身分制社会とは異なり、民主主義の国では皆が平等である。いいかえれば、だれも大した価値を持たないということでもある。 本書では、身だ…

テレビがなくなった

◆テレビがなくなった 先日、テレビを捨てて、代わりに大型PCディスプレイを導入した。 Acer 4K モニター ディスプレイ OmegaLine 48.5インチ EB490QKbmiiipfx IPS HDMIx3 DisplayPort HDR対応 スピーカー内蔵 ブルーライト軽減 リモコン付 発売日: 2018/06…

『不実な美女か貞淑な醜女か』米原万里 ――翻訳、通訳、外国語学習について

有名な翻訳者、著述家による本。 通訳としての経験を交えて、異なる言語間、文化間のコミュニケーションについて考える。 母国語について深く知ることが通訳のみならず外国語学習にとって重要だという。英語や外国語を使えるというのは、母国語を使いこなせ…

捨てられた人、駆り出された人のメモ

最近読んでいた本のメモ: ◆シベリア抑留 当時(シベリア抑留者帰国時)、ソ連は自国の政策や抑留政策を対外的に公開しておらず、また日本には理想的な社会主義観が広まっていた。 知識人たちは、抑留者たちの手記や証言を否定し、かれらを批判した。 ――「八…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その4(4/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

3 フリッチュ危機から戦争勃発まで ・1938年9月:チェコスロヴァキア進軍と併合 ヒトラーのチェコスロヴァキア進出計画を聞いた参謀総長ベックは、軍事的に不可能だとして恐慌に反対し、辞職した。司令官ブラウヒッチュに対し、クーデタを呼びかけるが…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その3(3/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

2 シュライヒャーの時代 シュライヒャーは政治的陰謀に長けた、狡猾で陰険な人物と描写される。 ja.wikipedia.org 1928年には国防相をグレーナーに据えるなど自らと親しい人物(兵務局長ハンマーシュタイン(Hammerstein)など)で固め、自身は官房局(…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その2(2/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

2 ゼークトの時代 共和国軍(Reichswehr)の創設……共和国の存立基盤であり、政治から超然とし、いかなる党派にも属さない軍。 フォン・ゼークトは将軍の子として生まれ、陸軍の中で異例の速さで昇任し参謀本部要員となった。第1次大戦では主に東部戦線で活…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その1(1/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

ドイツ国防軍がヒトラーをあなどり、やがて掌握されていく様子を時系列で詳しく書いた本。 著者であるイギリス人ウィーラー・ベネットは、20年代から30年代までドイツで政治研究を行っていた。 非常に生まれが良いため(ケント州のアッパーミドル出身)…