うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ドゥ・ザ・ライト・シング系

◆ファンタジー ポール・ニューマンの出ている映画「評決」を見た。上司の策略で落ちぶれた弁護士が、カトリック教会の経営する病院の不正のために戦う映画である。 評決 (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 「評…

移動裁判所

判事たちが、だれもいない 湿原を 歩き 緑のさざなみ、緑のがれきを 踏んで そのたびに、羽虫がとびだし カエルが 逃げていく かれらの手には 縄がある そのほかには? もう少し 長い縄がある。

気持ち悪い『四季農戒書』

直江兼続像 米沢市上杉博物館蔵 [Public domain] 『四季農戒書』は、「地下人上下共身持之書(じげにんじょうげともみもちのしょ)」ともいわれ、百姓大名といわれた直江兼続が農民を指導するために書いたものとされる。ただし佐々木潤之介『大名と百姓』で…

バビロニアの投票

◆選挙 参院選にともない2週間ほど前に在外投票に行ってきた。領事館にトレーラーハウスが設置され、本国と同じような態勢で投票受付が行われていた。 若者が選挙に行かないことが問題になっているが、わたしは若者に含まれるだろうか。もう今年で30代中盤…

『無人暗殺機 ドローンの誕生』ウィッテル その2 ――戦争形態を変えた無人機の歴史

6 オハイオ州デイトン・ライトパターソン空軍基地には第645航空システム群、通称「ビッグサファリ」が存在する。迅速な調達により兵器を改造する秘密の部隊であり、高級将校でも知らない者が多かった。 ビッグサファリは、空軍が引き継いだプレデターの…

『無人暗殺機 ドローンの誕生』ウィッテル その1  ――戦争形態を変えた無人機の歴史

米軍初の中高度超航続時間無人機であるプレデターについて書いた本。 ――これは、大陸間遠隔操作によって操縦され、地球の反対側にいる人間を殺すために使用された、世界初の武装無人機(無人暗殺機)の物語である。 無人機の本格的な軍事利用はプレデターか…

『特攻体験と戦後』島尾敏雄・吉田満 ――元特攻隊作家同士の対談

震洋特攻隊長だった島尾敏雄と、戦艦大和の沖縄特攻に搭乗し、生き残った吉田満との対談。 両者とも、自身が体験した極限状況を題材におもしろいフィクションを制作している。 2名は、淡々と当時の状況や雰囲気を語る。かれらは特攻作戦の異常性について指…

南から北 その6 リッチモンド市内観光(ヴァージニア州)

◆モンティチェロからリッチモンドへ モンティチェロから車で20分ほど走ったところにあるMichie Tavernで昼食をとった。 ミッチー・タバーン Michie Tavern この食堂は1784年に 開店し、以後所有者が州に変わり、場所を10マイル程度移してからも営業…

メノウの時代のころ

メノウの時代のころには 雲はつぶれて 蜂の巣形状の がれきから、 普賢の頭部が 浮かび上がったものだ、 日をあびて。 人びと、そのまわりを 埋めつくすように 豚と牛の群れ、 森のなかから 頭の上に、金貨をのせて 号令をかけた。 金貨の表面にある あわれ…

『Crimea: The Great Crimean War, 1854-1856』Trevor Royle その3 ――ボロボロのイギリス軍

8 ワシントンの混乱、ウィーンの前進 アメリカと英仏連合国は、アメリカのスペイン領キューバ奪取計画をめぐって対立したが、紛争にはいたらなかった。イギリスはアメリカを信用しておらず、クリミア戦争の調停を拒否した。 1854年末から翌年にかけて、…

剣あり剣ありこれころすことのためにぬきてあり

表題は「エゼキエル書」の中から適当に抜き出した。 ◆駅馬車 カントリーミュージックは非常に聴きやすくて歌詞も覚えやすい。 最近は暇をつぶすため公園でよく筋トレをしている。その往復の車中で、一人で熱唱している。 歌詞の引用や訳は権利関係が厳しいの…

『Crimea: The Great Crimean War, 1854-1856』Trevor Royle その2 ――ボロボロのイギリス軍

◆メモ 2014年のロシアによる併合で話題になったクリミア半島が、本戦争における激戦地となった。 9 不安な盟友 英軍とフランス軍の指揮統制の問題は最後まで解決されなかった。 ラグラン卿と、フランス陸軍司令官サンタルノーは、共同作戦の指揮権をめ…

ドイツ、米軍撤退に伴うシリア派兵要請を拒否

表題について、今週、ロシア御用メディアRTでニュースになっていた。 米軍はシリア駐留部隊約2000名を撤退させ、200名の特殊部隊のみ残置する方針である。この空白を埋めるために、米特別代表がドイツに対し派兵を要請したということだった。 www.r…

『Crimea: The Great Crimean War, 1854-1856』Trevor Royle その1 ――ボロボロのイギリス軍

クリミア戦争は、外交・軍事における多くの惨めな失敗とともに、多くの英雄(ナイチンゲールなど)を生んだ戦争ともいわれる。 ナポレオン戦争から第1次大戦へと通じる総力戦の原点であり、また東方問題は20世紀の戦争に引き継がれていく。 本書ではクリ…

いつか来た道

◆ゆく移民、くる移民 タイトルは北原白秋「この道」から抜粋したもの。 www.youtube.com 日清・日露戦争、第1次世界大戦と日本が台頭するにつれて、アメリカ合衆国における排日運動は強まっていった。 「日本人は他の民族にくらべてアメリカに同化しがたく…

安永4年の戦略爆撃

◆花火 きょうは独立記念日ということで、無職戦闘員の近所でも打ち上げ花火が開催されていた。 バルコニーには、星条旗を頭にさしたハタ坊風の人たちがたくさん詰めかけていた。 iPhoneで花火を撮ってみたが画質が非常に悪い。 ◆トランプのスピーチ トランプ…

給水塔を見て

丘を、ざくざくと 面を切り分け、建った 隊舎、また隊舎のむこうに 塔が 緑の丘の奥から 監視する わたしの脊椎標本を。 監視をし、わたしをよぶ。 記録を 塔は捕捉する、わたしを 識別し、わたしの皮フ、頭部、 からだに矩形波を、 ふぐ毒パルスを 打ち付け…