うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

城壁は声をひそめる

粘土が積み上げられ、 草の 黄色と茶色の きびしい壁に わたしたちは 行く手をはばまれた。 壁にはりつき、 列の奥から、奥からは 教徒たち、山の、小柄な 戦闘員たち、また 山と森の、スカーフを 巻いた人たち そういった、雇われた外国の人びとが ライフル…

『ガンジー自伝』

ガンジーが、自分の半生を淡々と記述する本。 ◆メモ ガンジーはインド人の権利のために活動した。非殺生(アヒンサー)の教えは、実現は困難だが尊いものであると理解できる。 一方で、菜食主義、禁欲、牛乳の禁止を実践することは、誰でもできるわけではな…

『日本海軍の終戦工作』纐纈厚 その2

4 東条内閣打倒工作 東条首班指名の理由は以下のとおり。 ・木戸幸一が、開戦首相を非皇族にすることで、皇族に責任が及ぶことを回避しようとした。 ・東条が軍の強硬派を抑えることを期待した。 ・天皇が東条を信頼していた。 ――……近衛は開戦後において一…

『日本海軍の終戦工作』纐纈厚 その1

海軍の政治的役割を再検討し、特に海軍への過大評価、善玉評価を見直す。 ◆感想 本書の要点は、日米開戦後から終結までの、責任回避の応酬である。 「海軍善玉論」、「天皇に実権はなかった」、「海軍は初めから戦争に反対していた」といった説は、こうした…

『アフリカ大陸探検史』アンヌ・ユゴン

◆メモ 主に19世紀のアフリカ探検をたどる。 探検家たちの多くは偏見や白人至上主義の持ち主だったが、リヴィングストンやメアリ・キングズリー等、当時の基準からすれば公平な視点を持つ者もいた。 アフリカ探検は文明化の象徴として本国でもてはやされ、…

図書案内:日本と歴史

日本史に関する本のメモをリストにしました。 基本的な文献を読んでおくことの重要性を実感します。 なぜなら歴史は人間の世界観をつくるもので、物の見方・方針に大きく影響するからです。虚偽に基づいた世界観は、人を誤った選択・判断に導きます。 自分の…

『詳解武装SS興亡史』ジョージ・スティン その2

4 西部戦線が終結し、ヒトラーは密かにソ連侵攻を計画していた。 1940年から41年にかけて、再び新兵募集をめぐって陸軍と武装SSが対立した。 SS募集担当のベルガ―、SS参謀総長ユットナーらは、陸軍の眼を欺いて新兵募集を行った。併せて、占領…

『詳解武装SS興亡史』ジョージ・スティン その1

目的 ――本書は、これらSSの組織の1つであるナチ・エリート護衛部隊の軍事部門で、ヒムラーの戦時帝国の最大の構成組織であった武装SS(Waffen SS)の実像の解明を目指すものである。中でも特に、武装SSの発展の過程、すなわち、組織の目的、…

Vaporwave, Synthewave,などの日本像

最近Amazonで買った音楽を紹介します。 元々音楽にかんしては、とくにこだわりもなく聴いていましたが、国外に引っ越してからは現地のヒットチャートやアメリカ音楽を中心に聴いています。 職場はどういうわけか南部出身(ジョージア、アラバマ等)ばかりで…

『特高警察』荻野富士夫 その2

4 総力戦体制が整備されていくにつれて、特高の業務も強化された。国体の擁護と、聖戦への一致団結がかれらの目的となった。 国家主義者については、これまで重視されてこなかった。しかし血盟団事件や五・一五事件をきっかけに、右翼担当が増員された。国…