うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『特高警察』荻野富士夫 その1

特高警察の概要について説明する本。特高警察の制度、運用については、現在の公安警察にも残されているという。 回想録に書かれている憲兵と同様、かれらも逃げ足が非常に早く、敗戦間近になると幹部たちの職場放棄が散見され、また書類の焼却がさかんに行わ…

最近買った本……エノク書、レニングラード戦、レベッカ・ウェストほか

最近買って、これから読もうと思っている本です。 読む予定の本は溜まっていますが、クラウゼヴィッツが長引いて後がつかえている状態です。 『The Books of Enoch』 紀元前1~2世紀に成立した黙示の1つとのことです。聖書の成立に関する本や、原始キリス…

ぶどう作業

頭上から 緑の釣り下がる ぶどうの領域で 水をやる 晴れて おだやかな気温の日に ぶどうはふくらんでいく つると葉の陰から 蝶が出現した 人の頭からぶどうの 実がなるのは いつだろうかと考える

『治安維持法』中澤俊輔 その2

5 1930年代には、治安維持法の適用が拡大した。 33年……司法官複数名が検挙された。また築地警察署において、小林多喜二が特高課の拷問により死亡した。 「赤化華族事件」では、華族が複数起訴された。 30年代には、共産党に並んで、国家主義運動も…

『治安維持法』中澤俊輔 その1

治安維持法は、当初、結社の禁止を目的として、政党によって制定された。本書は特にこの経緯に着目し、治安維持法と政党政治との関係を検討する。 1 治安維持法の主管官庁は内務省(警察)と司法省(検察)だった。2官庁と、政友会と憲政会が、それぞれ対…

『ヒトラー暗殺計画』グイド・クノップ その2

マンシュタイン、ボック、ブッシュら高級将校たちには、謀反などという選択肢は存在しなかった。また、クルーゲはレジスタンスに共感はしたものの、積極的には動かなかった。 ・首謀者と実行者たち……シュラーブレンドルフ、ゲルスドルフ、オルブリヒト、ベー…

『ヒトラー暗殺計画』グイド・クノップ その1

ヒトラー暗殺は複数回試みられたが、すべて失敗した。 本書は、ゲオルク・エルザー、国防軍による暗殺計画をたどる。 国防軍のレジスタンスを率いた中心人物はヘニング・フォン・トレスコウ、また1944年はシュタウフェンベルクである。1938年にはハ…

『「慰安婦」問題とは何だったのか』大沼保昭

メディア、NGOが果たすべき公共的機能という観点から、慰安婦問題を検討する本。 ◆感想 本書が示す各主体の教訓は以下のとおり。 ・政府……消極姿勢、「どう受け止められるか」という広報の軽視 ・NGO……実現不可能な正義の追求、被害者を無視した理想論…

古代との連接歌

黄金の什器と踊るカフカスの木靴の音にひびくめんどり トロイアにて敵の首を斬るコマンドオは智慧のはさみでのど切り開く のこぎりの雪山越えて立哨の首切り落とし道に鈴蘭