うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『エネルギー問題入門』リチャード・ムラー その1

エネルギーに関する正確な知識を得ることにより、正しいエネルギー政策を導くことが重要である。 エネルギーは軍事経済の両面において国家の安全保障の中核に位置する。 また、エネルギーに関する定説や報道は、しばしば実態とかけはなれていることが多いた…

「サラの鍵」

Elle s'appelait Sarah 制作:2010年 監督:ジル・パケ=ブランネール ヴィシー政権が国内のユダヤ人を一斉検挙し収容所に連行したヴェル・ディヴ事件を題材にした映画。 主人公の夫の一族が住んでいたアパートを起点に、過去と現在とが相互に入れ替わり…

報告歌

スキュラには慈悲はあるのか青々と輝く海で拷問という カザリドリが地下水脈を降りていくじょうろで呑んだマントルの露 尋問部屋に入れば夏の墓堀はソテツの国で虫捕りをする

『帰ってきたヒトラー』ティムール・ヴェルメシュ

現代ドイツによみがえったヒトラーは芸人としてテレビに登場し、やがて人気者となる。 ネオナチに襲撃されて以降は、自由の闘士として各政党からもスカウトが殺到し、ヒトラーは自分の政党を新たに立ち上がる。スローガンは「悪いことばかりじゃなかった」。…

『今日われ生きてあり』神坂次郎

特攻隊員の遺書、整備員や周辺住民の手記等をまとめた本。 著者は航空基地の通信員として働いた経験のある作家ということである。 特攻隊員の陰に隠れて、批判から逃れようとする戦争指導者や指揮官の姿勢はよくない。 *** 特攻に志願した者の大半は学徒出陣…

善き人

最近は、ホロコーストとボスニア内戦の本、ホップカークの本を読んでいた。 歴史が、殺人と拷問の博物館のように見えることがある。この世には、何1つ当たり前のものはないと感じる。 ◆時計 『Into that Darkness』の主題である、収容所長フランツ・シュタ…

『ソドムの百二十日』サド

フランスの小説家サドによる幻想文学。 本書の構成は以下のとおり。 ・背景 ・登場人物 ・計画 ・訓示 ・日課次元 ・記録 計画によって集められた少年少女は、4人の変態権力者の変態行為の犠牲になる。あわせて、4人の中年女が自分の経験した変態行為を話…

「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」

制作:2003年 監督:ケビン・コスナー 暗い過去を持つ牛追いたちが、悪徳牧場主と主が雇った殺し屋を倒す映画。 ケヴィン・コスナーとロバート・デュバルの復讐は筋が通っており、村人たちも協力する。 コスナーと独身女性との交流が、特に後半はくどい…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 14 捕獲

14 捕獲 http://ncode.syosetu.com/n2907dt/14/ たとひわれ死のかげの谷を農王系 http://ncode.syosetu.com/n2907dt/

『続・突破者』宮崎学

『突破者』を出版した後の著者の活動について自ら回想する本。 宮崎学は、現代日本をとりまく抽象的な正義を否定する。それは清潔な市民による正義であり、社会から不潔なものを全て抹消しようとする世界観である。 平沼騏一郎が司法官僚の時代、かれは被差…

『外人部隊』フリードリヒ・グラウザー

モロッコ駐留の外人部隊に所属する兵隊たちの話。それぞれ違う国からやってきた隊員たちは、真偽の怪しい自分の経歴について話す。逃げ出した者、高貴な生まれだが没落したもの、社会から外れたものが多数存在する。 部隊では尼僧院での売春が蔓延しており、…

『堕落論・日本文化私観』坂口安吾

評論・エッセイ類を集めた本。 だいぶ昔に一通り読んだが、改めていくつかを読み直した。 ◆小説・文学について 現実の代用としての言葉を否定し、絶対的な言葉こそが芸術となる。言葉は現実の模写や代用品ではない。 ――言葉には言葉の、音には音の、色にはま…

「ラストエンペラー」

制作:1987年 監督:ベルナルド・ベルトルッチ 清朝皇帝のち満州国皇帝溥儀の一生についての映画。幼児皇帝の不自由な身分から抜け出したい一心だった人物が、過去の栄光と、祖国復活の夢に惑わされて再び操り人形になる。 溥儀の人生は思い通りにならず…

古い沿海地方へ

大気のうすい、晴れた日に 岩にのぼった。 遠い木製の環から 取り外され、積み上げられた 岩の継ぎ目には 力強い 茶色と緑の植物がある。 わたしは、空の対角から 白い虎が現れるのを目撃した。 動物はわたしたちの符号を知っている。 それらは、土をなめて …

『謀略戦 陸軍登戸研究所』斎藤充功

元職員らの証言を聞き出し全貌を明らかにするという形式をとる。 *** ・登戸研究所は各特務機関や中野学校と密接なつながりがあった。職員の中には、終戦後すぐに行方不明となり、中国人になりすまして生活をしていた者もいたという。 ・特に、米本土に影響…