うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-06-05から1日間の記事一覧

手の航跡(2012)

あたま、あたまから派生したあたま、 あたまの模様は波打って 大一統はよろこんだ。 雲が目まぐるしく渦をまき、その下で 吹き溜まりをなす雪の 対象物の影に隠れているシカや、 キツネの、ふかふかとした 尻尾を観測する。 手袋から、手を取り外す わたした…

『追悼の政治』エルンスト・ユンガー その2

「平和」 第一部 種子 第二次世界大戦が終戦をむかえたときに書かれた。 平和をもたらす福音は、「戦争が万人に果実をもたらさなければならない、ということである」。尊い犠牲はすでに無数の者によってはらわれた。 「灼熱する縫い目によって初めて地球を一…

『追悼の政治』エルンスト・ユンガー その1

ユンガーの著作は日記、エッセイ、小説の三種に分類される。ドイツでは重要な作者ということだが内容は難しい。 「忘れえぬ人々」 まえがき ドイツ人は無名兵士には尊敬をもたない。 「我々は、敬うこと、畏敬の念を覚えることをも好む。そしてこの畏れとい…