うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-06-04から1日間の記事一覧

『文学の思い上がり』カイヨワ その3

第三編 人間のために 公認の芸術家とのろわれた詩人の違い。公認の芸術家は、たとえば『神曲』のように、建築に似た霊感の統一様式をもっている。 「建築は当然秩序であり、科学であり、正義であり、そして全く同時に美であり、奉仕であり、力である」。 ま…

『文学の思い上がり』カイヨワ その2

第二編 文学の諸問題 文学は社会のなかにある。言語はなによりも社会的な道具である。社会を軽蔑する作家は言葉の規範も軽蔑するようになる。 「作家はもはやぼんやりした、なぞのような、錯乱したものしか作らない」。 文学は権威を打ちたてようとするか、…

『文学の思い上がり』カイヨワ その1

興味深い題名、『戦争論』のカイヨワによる文学論。題名だけで、何か怒られるのではないか、という気分になる。 文学にあらわれる有害な兆候を論ずる。 これだけ文学に重きがおかれていた時代というのも、隔世の感がある。現在、文学は落ち目の娯楽の1つに…