うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-01-26から1日間の記事一覧

藪知らず(2011)

指が地面からのびて、岸辺をおおうと森ができた キチン質の爪から赤や、緑、黄色の 色とりどりの 電波が発射され たてものの壁にぶつかると柱時計に ぶつかった わたしの弟、柱時計の分電盤がひらく、 黒い歯とくちびる、舌は文様をえがくように こまかくふ…

『フランサフリック』フランソワ=グザヴィエ・ヴェルシャヴ

アフリカにおけるフランスの軍事介入、選挙不正などを告発した本だが、本書は狂気に近い怒りにとりつかれている。翻訳を出した緑風出版はほかの本を見たところ本気左翼系の会社であり、著者のヴェルシャヴも狂信に近い人道的思想に帰依している。 事実の列挙…

『フーコン戦記』古山高麗雄

九州在住の老人が、自分の従軍したフーコンについての思い出を滔々と語る。 彼はビルマのフーコンに送られ、そこで激戦を経験したが、このことはあくまで彼個人の体験にすぎない。個人の体験にすぎないものを、平和のため、反戦のためという名目で喧伝したり…

『カルタゴ』マドレーヌ・ウルス=ミエダン

ひたすらカルタゴについて書かれている本。いつかチュニジアを旅行するときとか、カルタゴ人に会ったときとかに役に立つかもしれない。 *** カルタゴはおもにローマの敵国として有名だが、その価値は軽視されている。カルタゴはテュロスから来たフェニキア人…