うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-01-02から1日間の記事一覧

『バガヴァッド・ギーター』

『バガヴァッド・ギーター』は叙事詩『マハーバーラタ』中の一篇であり、まえがきとして叙事詩のあらすじが紹介されている。荒唐無稽な神と聖人と王家の話で、聖人が欲情して女を犯すと聖なる子供が生まれる。また、妃が肉の塊を生んで、この肉をバター状に…

肉と油(2009)

肉が焼け、焦げついた 黒い杭から油がぽどぽどと 落ちて 火の文様のなかを落ちていった 中央から広がる 火と、音のない風が起きあがり 白い煙が 岩と岩、 珊瑚の化石の隙間から頭部を出したうつぼのように 肉を狙って 肉のまわりを徘徊している 杭と柵のあい…

『タイガを通って』アルセーニエフ

概要 アルセーニエフらは、アムール河下流域、シホテ・アリニ山脈の地理学的踏査に出発する。目的は「移住政策の観点から計画されている鉄道の敷設地域が妥当であるかどうか」の検討だった。 探検隊はソヴェツカヤ・ガワニ(港)からアムール河までの187…

『赤軍 神軍 緑軍』山内昌之

ロシアにおけるイスラムの歴史とその関わりについて論じる。 序 ロシアは15世紀から中央アジアのイスラム部族たちを支配してきた。少ない例外を除き、ムスリムたちはロシア帝国の中で公民としての地位を与えられず、官職に就くこともなかった。それでも、…