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うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『スローターハウス5』カート・ヴォネガット・ジュニア

 タイムスリップ、宇宙人、架空の作家といった道具を使い、第二次大戦における経験を伝える物語。

 主人公は自分の半生を次々に移動しながら、ヨーロッパで捕虜となり、ドレスデン空襲を目撃した思い出を語る。

 戦時中、人びとはみじめに死んだり、こっけいに死んだりする。ドレスデンのじゅうたん爆撃を受けた後、町は「月面」そっくりになっており、捕虜たちが地上を歩いて郊外に避難するあいだ、生きている人間はまったく見当たらなかった。

 戦争や人間の蛮行に対する強い嫌悪が感じられる。

 短い断章が繋ぎ合わされてつくられており読みやすい。「そういうものだ」、という台詞の繰り返しが印象的である。