うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2016年の本と映画

 今年読んでおもしろかった本と映画について。

 

◆本

 『Diplomacy』Kissinger

 国際政治における理想主義と現実主義の変遷をたどる。著者はニクソン時代の大統領補佐官であり、特に本人の関わる時代(ベトナム戦争等)については、視点の1つであることに注意する必要がある。

Diplomacy (A Touchstone book)

Diplomacy (A Touchstone book)

 

 

 『Hitler』Joachim Fest

 ヒトラーの評伝。本当に落第生であったことが書かれている。また、趣味や嗜好は若干時代遅れだった。

NSDAPが台頭する前から、ドイツ社会は不安定な状況にあった。熱狂、妥協、ヒトラーに対する過小評価が、ナチ党政権を招いた。

・敗戦するまで、ヒトラーは高い支持率を保持していた。

ヒトラーは、19世紀の文化の成果物だった。

Hitler (Penguin Classic Biography)

Hitler (Penguin Classic Biography)

 

 

 『The Great Game』Peter Hopkirk

 中央アジアをめぐるロシアとイギリスの抗争について。

 下級将校(Subltern,サバルタン)が、英露双方において大きな役割を果たした。

 本書を読むと、中央アジアの辺境……ラダック地方、フンザ、ナーガール、チトラル、アフガニスタン等に行ってみたくなる。

The Great Game

The Great Game

 

 

 『The Killing of Osama Bin Laden』、『アメリカの秘密戦争』Seymour Hersh

  アメリカ人ジャーナリストは、アフガニスタン戦争及びイラク戦争に関して、政府の嘘を告発する。

 『秘密戦争』は、アブグレイブ刑務所捕虜虐待に係る報告を含む。

 『The killing of~』では、「ビンラディン暗殺!」の八百長疑惑(パキスタン情報機関から、ビンラディン軟禁場所について極秘に知らされていた)、シリア反政府勢力の実態、オバマと軍との対立等に言及する。

 ハーシュ、チョムスキー等の左派が、オバマを「嘘つき」、「ブッシュの継承者」と非難していたのは、かれの言行不一致によるところが大きい。

The Killing of Osama Bin Laden

The Killing of Osama Bin Laden

 

 

アメリカの秘密戦争―9・11からアブグレイブへの道

アメリカの秘密戦争―9・11からアブグレイブへの道

 

 

 『職業としての政治』マックス・ヴェーバー

 第1次世界大戦直後の混乱期に書かれた本。今読んでも新鮮な箇所が多い。

 ◆ヴェーバーの挙げる、ダメな政治家の態度

1 目的が正しければどのような手段をとっても構わないし、失敗しても、それは世界が間違っているからである(過激派と、革命家)。

2 政治は権力であり、暴力をともなうのだから、賄賂・汚職や暴力、不正が蔓延しているのは当然である。これをいちいちあげつらうのは、未熟な証拠である(既得権益の正当化)。

3 倫理的に正しい手段をとれば、それは正しい行為なのだから結果がどうなっても問題ではない。政治家個人としての倫理は達成される(政治的に無力な聖人君子)。

職業としての政治 (岩波文庫)

職業としての政治 (岩波文庫)

 

 

 『北條民雄 小説随筆書簡集』

 若書きも多いが、「いのちの初夜」を含む、癩病院の連作は非常に面白い。

 東村山市の国立ハンセン病資料館も、歴史を知る上で参考になった。

北條民雄 小説随筆書簡集 (講談社文芸文庫)

北條民雄 小説随筆書簡集 (講談社文芸文庫)

 

 

 『その夏の今は・夢の中での日常』島尾敏雄

 魚雷艇指揮官としての経験と、幻視された風景がひとつになっている。

その夏の今は・夢の中での日常 (講談社文芸文庫)

その夏の今は・夢の中での日常 (講談社文芸文庫)

 

 

 『神の歴史』カレン・アームストロング

 人間が「神」の観念を発明し、時代に適合させてきた歴史。

 近年の根本主義、過激派の台頭を、神の意義からは逸脱しているとして批判する。

神の歴史―ユダヤ・キリスト・イスラーム教全史 (ポテンティア叢書)

神の歴史―ユダヤ・キリスト・イスラーム教全史 (ポテンティア叢書)

 

 

 『The Ghost of Freedom』

 コーカサス地方の歴史。トルコ、ペルシア、ロシアの3つの大国に挟まれた地域で、かれらがいかに生存してきたかに注目する。

 コーカサス人は一枚岩ではない。現在の民族分類、国家領域は、歴史の過程で作り出されたものである。

 この地域の宗教は混交しており、キリスト教イスラーム、土着のアニミズムが、かつては共存していた。

The Ghost of Freedom: A History of the Caucasus

The Ghost of Freedom: A History of the Caucasus

 

 

◆映画

 「レヴェナント」

 今年、一番おもしろかったのはこの映画である。

 劇中のインディアン(ネイティブアメリカン)を観て、歴史に興味を持った。よって、2017年以降に実際に観光調査しにいく予定である。

 

 「マンダレイ


 「それでも夜は明ける


 「サウルの息子


 「ミッシング」


 「天国の日々

天国の日々 [DVD]

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 「デルス・ウザーラ

デルス・ウザーラ (完全期間限定生産) [DVD]

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 「とうもろこしの島」「みかんの丘」