制作:2013年
監督:スティーヴ・マックイーン
原題は「奴隷の12年」。北部に住むバイオリニストの黒人が奴隷商人たちに拉致され、奴隷に仕立て上げられ、南部の農園に売られる。
19世紀の体験記を映画化したもので、話は極めて単純だが、強烈である。奴隷の受けた苦痛や、非人間的な制度を明らかにする。
この映画では、人種差別の最も原始的な姿が描かれる。それは恐ろしい世界である。
人物のアップ、カメラを向いて不動になる人びと、風景と歌、演奏の接続等、演出が印象に残った。
登場人物は皆キリスト教徒だが、かれらの教義解釈の仕方は様々である。牧師の農園主や、残酷で堕落した農園主たちは、聖書の教えと奴隷所有を両立させている。
また、奴隷たちは神を信じており、自殺を禁忌とする。
監督は、他にIRAのハンストを題材にした「ハンガー」がある。
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