その人は、いや、
代理人の長は、
冷却材でゆっくりと脳をひやす。
大理石の脳も当然のこと
ではわたしの脳は
その人の脳はどのような
素材からできているだろうか。
「残念ながら、大理石
ではない」
赤土と、立体の
ための粘土、他には
何があるだろうか、
鯨の肉の破片を、ていねいに
固めたものでもあるかもしれない。
そして、
代理人の長は隷下の
脳を統制する。
規則に基づいた、正しい
信号によって、
指令が下され、「ぶくぶく」
ぶくぶくと
厚生機械たるわたしたちの
口から液体の文学が
したたり落ちた。
これが、新しい慈悲の10年の
当局によって掃き清められた絵姿。