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うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『地図の歴史』織田武雄

 地図は文字よりも古く、その当時の人間の世界観をよく表している。本書は古代から近代までの地図の発展をたどる。

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 地図は未開民族の間でもつくられていた。

 古代……初期ギリシア人は、世界は平面であり、オケアノスという海に囲まれていると考えた。

 アレクサンドロス大王の時代以後、ピタゴラス学派らが地球球体説を提唱した。プラトンソクラテスピタゴラスにならい、地球を球体であると考えた。

 ローマ時代には領土が拡大し、より詳細な地図がつくられるようになった。プトレマイオスは『地理書』を著した。

 ローマ人は実用的な発明に秀でていたため、道路利用者向けの「ポイティンガー図」を生みだした。

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 中世においては、キリスト教世界観が科学、工学を支配したため、地図の正確性は退化した。

 地球球体説、われわれの反対側に対蹠地と対蹠人がいるという考えは否定された。

 この時代の代表的な地図であるTO図は、、陸地をアジア、アフリカ、ヨーロッパに分け、中心にエルサレムを据えたものである。

 「マッパ・ムンディ」は、「聖書に記されている物語や事物、あるいは古代や中世の伝承に基づく事項を、いわば世界図の形をかりて表した絵図」である。

 イスラム圏においては科学が発展したが、地図については抽象的な段階にとどまった。

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 13世紀、マルコ・ポーロが東方探検を進めた時代には、ポルトラノ型海図が利用された。この海図の特色は羅針盤による航海のためにつくられた点にある。

 大航海時代には地理的発見が進められた。その後も、新大陸や北方、南方の発見が進んだ。

 1512年にフランドルで生まれたメルカトルは、緯度経度を基準とした航海用のメルカトル地図を製作した。かれの考案した正確円筒図法はメルカトル図法とよばれ、今日でも海図に最適の図法とされている。

 その後、フランス、イギリスをはじめ各国で測量が行われ、また、地図の表記法も発展した。 

地図の歴史 世界篇 (講談社現代新書)

地図の歴史 世界篇 (講談社現代新書)