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うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『対極』クービン

本メモ ◆海外のフィクション

 架空の人工都市を題材にした物語。

 似たような幻想的な作品ではマルセル・ブリヨンジュリアン・グラック、ユンガー『ヘリオーポリス』が思い浮かぶが、本書の結末は特に強烈である。

 翻訳は『対極』、『裏面』と2種類あり、わたしが読んだのは『対極』だった。

 

 概要……主人公は旧友パーテラの使いに招待され、パーテラが天山山脈のふもとにつくった人工都市ペルレに移住する。ペルレは古い忌まわしい中古建築物を再利用しており、そこには奇怪な住人達がいた。かれはパーテラに謁見しようとするがいつまでたっても手続きが進まない。同伴した妻は病死した。

 アメリカ人資産家ハーキュリーズ・ベルがやってくると、町の住民を煽動し、パーテラを失脚させようとたくらんだ。

 ここから夢の王国の没落が始まる。町の住民は政治的な徒党に分かれた。間もなく住民は惰眠病に陥り、町に動物や毒虫、ありとあらゆる生物災害が押し寄せる。住民は発狂し、お互いに殺し合い、レイプをおこなう。パーテラは死に、ペルレはすべて焼けて灰となった。

 制圧にやってきたロシア軍部隊は、焼け野原となった人工都市の跡地で主人公を発見した。こうして王国は消滅した。

 町の亡びる様子、町にたどりつくまでの中央アジアの風景、狂ったアメリカ人等、印象に残る人物や風景が多い。また、話は単純だが細かい部位が表現されている。

対極―デーモンの幻想 (1971年)

対極―デーモンの幻想 (1971年)

 

 

裏面: ある幻想的な物語 (白水Uブックス)

裏面: ある幻想的な物語 (白水Uブックス)