化学兵器はハーグ陸戦条約、ジュネーブ条約などで制限されてきたが、こうした施策は完全なものではなく、現代においても各戦争において使用され、またテロリストの攻撃手段としても利用されている。
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古代においては亜硫酸ガス等の使用が見られる。ギリシア人の用いた「ギリシアの火」は毒性の煙を用いた兵器だったと考えられる。
本格的な化学兵器の開発は産業革命以後であり、実戦で用いられたのはドイツによるイープル攻撃である。ここでは塩素ガスとマスタードガスが使われ、マスタードガスはその効力を記念して「イペリット」と呼ばれるようになった。
ドイツは神経剤としてタブン、サリン、ソマン、VXを開発していたが使われることはなかった。戦後は各国が化学兵器の開発に取り組んだ。
近年においてはイランイラク戦争、湾岸戦争、イラク戦争等で利用されるほか、オウム真理教によるサリンの利用が世界的に有名である。
神経剤―サリン、VX
びらん剤―マスタードガス
肺剤―塩素、ホスゲン
暴動鎮圧剤―催涙ガスのこと、CN、CS
無能力化剤―BZ、向精神薬のようなもの
血液剤―シアン化物、大戦中はチクロンBがユダヤ人政策で使われた
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生物兵器の原始的な利用法は屍体を投げこむことである。生物毒は自然界に無数に存在し原料は無限にある。また、使用が迅速に判別できない特徴もある。
代表例
痘瘡ウイルス
ブルセラ属菌
Q熱リケッチア
野兎病菌
ボツリヌス菌毒素
トリコセテン・マイコトキシン
リシン
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各国はオウム真理教事件等を受けてBC兵器テロ対策に取り組んでいる。
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