うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『動物たちの日本史』中村禎里

 日本人が動物をどのようにとらえてきたのか、日本人の動物観をたどる。

 古来より日本人とかかわりの深い動物はヘビ、キツネ、ウマ、ウシ、サル、タヌキ、等である。

 神にかかわりがあるとされた動物については、ヘビが最も古く、やがて1000年前後にキツネが神の化身とされ、近世に入りタヌキが新しく仲間入りをした。

 ヘビはその外観から、吉凶を呼ぶ生きものとされた。キツネは稲穂との色の相似から、農耕をつかさどる神の化身として畏れられた。このため稲荷信仰は全国に広がっている。タヌキはより位階の低い妖怪の一種と考えられ、人間に害を及ぼすこともあった。

 他、シカなども神と考えられていた。イヌ、ネコ、ネズミは愛玩動物として扱われた歴史をもつ。

 古代において、海を司る動物は「わに」と呼ばれたが、これは具体的な動物をさすものではなく、海に棲息し、人間に凶事をもたらす怪物というあいまいな概念をさすものである。かつては「たぬき」も、中型動物一般を指していたという。

 サルは人間に近いが、人間よりは低級のものとされた。ほか、ムシ、ネズミも妖力を持つ存在として文献に現れる。

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 日本人は家畜を食用に用いることがなかったため、ウシ、ウマを食べることはなかった。これは漁撈が栄えていたためである。肉食をおこなう場合は野生の動物……イヌやウサギ、ニワトリ等を狩って食べた。

 

動物たちの日本史

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