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うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『おろしや国酔夢譚』井上靖

 伊勢から漂流してアムチトカ島にたどりついた大黒屋光太夫たちは、ふたたび日本に帰るために極東ロシアを旅する。

 アムチトカ、カムチャッカ半島、オホーツク、イルクーツクと移動するたびに仲間たちが死に、帰国をあきらめる者、現地で暮らそうと決心する者があらわれる。光太夫は日本への執着心から仲間を激励するが、最終的に帰国したのは彼を含めて2人だった。

 日本は当時鎖国政策をとっていたため、彼らは伊勢に戻ることができず、江戸の薬草植場に幽閉されたまま一生過ごすことになった。

 極寒の風景や様子が詳しく描かれており、また、カムチャッカの原住民の生活、ロシア人の生活もよくわかる。

 漂流民たちは強烈な意志によって生き延びることができたようだ。

おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-31)

おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-31)