うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

夜間警備の海

 月の探照灯がうごきだすと、
 わたしたち搭乗員は、
 光の柱が、黒い海面に
 突き刺さり、沖から沖へ
 

 ということはつまり、
 もう見えなくなる埠頭に向けて
 量子のたばが指向していくのを確認する。
 
 かれらは乗った。
 そして、かれらの
 金属のドンガラに溶接された
 胴体が沈んでいった。
 
 黒い布、黒い海に
 埋設され、
 数年に1回、やさしいパルス信号が
 かれらの殻が
 まだ残っているな、と、
 定点的な状況だけを点検する。
 
 様々な影、かれらの子供、かれらの子供の
 子供、かれらの子孫の、存在しない
 系図がくずれた網となり、
 海底に沈殿している。

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