2015-07-21 血みどろの遠近法 とりでポエム 子供は眼をあけた。 口腔から指先を出して 青草と、霧の 入り混じった大気をかきまぜた。 わたしは見る、 黒い工夫たちが、つるはしと金槌を 振り下ろし、 時間の墓を打ち立てる状況を。 不意に、かれらは年老いて しわだらけの眼窩に、モノクルを はめこむ、 まさに、そのときの、 散乱する短波に似た、子供の 羊的な脳のふるえ。 丘を登りきった現在地に、 昨日の子供がいる。