うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『ハンドブック現代中国』

 比較的新しい本だったが2006年以前の情報なので注意が必要となる。調べたところ2013年版が出ていた。

 

 清代、中央の力が及ぶのは県までで、地方では郷紳・読書人、士大夫がリーダーをつとめていた。アヘン戦争、アロー戦争と天津条約(1858)、北京条約(1860)。日清戦争の十年前にも、清朝はフランスに破れベトナム利権を失っている(清仏戦争)。

 大躍進失敗につづく劉少奇、鄧小平の台頭は、毛沢東の気に入らなかった。彼は四人組と林彪を率いて文革を実行する。

 特別行政区は香港とマカオ、省は二二、自治区内モンゴル、新疆ウイグル、広西チワン族寧夏回族チベットの五つ。西高東低の地勢、青蔵高原。

 景教、東正教(ロシア正教)、天主教(カトリック)、基督教(プロテスタント)。

 党指導者が国家指導者よりも上位にあり、三権分立は否定されている(議行合一)。政治改革が進められているが、道は遠い。現在の党幹部は胡錦涛国家主席温家宝総理ら自然科学系官僚エリート、および曽慶紅ら上海閥江沢民派)からなる。

 rule by lawとrule of law.

 ――今日の中国を、あらゆる面で恐ろしく中央集権的な国家だと考えるなら、それは誤りである……実はある面で日本よりずっと地方分権的な国なのである。

 報道規制は依然厳しいものの、前ほど秘密主義ではなくなっている。

 香港は香港島、新界、九龍からなる。

 毛沢東「政権は銃口から生まれる」。現在の日中関係は「政冷経熱」といえよう。自国の利害を唯一の行動基準とする中国の外交姿勢は今でも変わっていない。非国有企業には外資系企業、合弁会社、合作会社があり、三資企業とよばれる。

 珠江デルタ地域は広東、福建、海南に香港を加えた経済地域である。長江デルタ地域は上海と江蘇、浙江からなり、中国第一のGDPをほこる。北京、天津、河北省に山東省、遼寧省を加えたのが環渤海経済圏である。中関村には北京大学清華大学、IT企業がある。

 内陸および東北と、沿岸部の格差が問題になり、近年は「西部大開発」がさけばれている。

 計画経済期には、労働者は職業選択および居住移転の自由を認められなかった。

 「鉄飯碗、鉄椅子、鉄賃金」とは、解雇、降格人事、賃金切り下げがないことを意味する。常に労働過剰状態にある。いまだにエネルギーの七五パーセントを石炭に頼っていることが、環境破壊の一因となっている。

 日本は中国に対しては入超の赤字だが、中継貿易の役割を果たしている香港には三五〇億ドルの黒字をあげている。

 ――中国への国際機関援助の約六割が世界銀行(IBRD)、約三割がアジア開発銀行(ADB)からで、二国間ODAの最大供与国は日本である。

 しかし日本景気低迷、中国の軍備の状況から、二〇〇八年には円借款は打ち切られる予定である。

 中国人の姓は約三〇〇〇あるが上位一〇〇位が人口の九割を占める。よくある姓は張・王・李・趙・劉、次いで陳・楊・黄・周・呉・徐・孫・胡・朱・高・林・何・郭・馬となる。張は東北、福建・広東には陳・黄・林が多く、新疆には馬、山東には孔が集中している。同姓不婚、父親の宗族における輩字とは、同世代が姓と名のあいだにおく文字である。

 青茶とは烏龍茶のこと。黒茶は少数民族が主に飲む。黄茶、白茶は少量生産で皇帝、貴族が愛飲していた。一人っ子の過保護は小皇帝といわれる。ダイエットブーム。大都市では大晦日の爆竹が禁止された。

 簡体字には、後世になって旧字体が読めなくなるという危険性がついてまわる(正字正仮名派の危惧とのつながり)。旧字、新字、中国の簡体字すべてに通暁することが望ましい。

 中華芸術にけばけばしいものが多いのは、芸術の担い手がおもに庶民だったからである。「玩物喪志」のことばに見られるように、美術や技芸はエリートは慎むべきものとされていた。前近代の中国では芸術の地位は総じて低い。これは職人の領分に属する。

 

ハンドブック 現代中国

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