端子の島にむけて、ある日、虫と動物の影が投げ込まれた
狭い土壁の家を出て、共同の墓地をすり抜けた
かれらは、その中でも、わたしと昔から住んでいる老人は
黒土の上に残された石の幕舎に向かった。
不穏な熱と磁力を帯びた影がレリーフに映りこむと、かれらは
近づいて指でなぞった。
その時の、複雑な太陽光と
地熱のゆらぎによって
変形する蜂とヘラジカの影
を点検する、わたしたちは
日に焼かれて汗をかく、内陸の人間の皮フを焼いた。
反射によって白くなった壁が、老人に崩れかかったそして
ヘラジカは死んだ。
わたしたちの族と党は夕霧を泳いだ、青蒸気と
緑と水のある山から
柩をかついで端子の森に捨てた。
このような、人の手を
わずらわせる生きものの影に囲まれた場合は
どうすればいいか。