うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

舟の年(2012)

 魚のいる矩形、魚の
 小さな呼吸がつぶになり、粒子の
 ひとつなぎ、あぶくは鎖をつくる、魚の
 よだれ、きめられた
 周期で、ふくらんで、ちぢむ
 水晶の表面をなぞる
 そのとおりに舟があり、尾ひれを
 わたしの弟はかじる
 甲板から、なめらかな金属の
 回転音がこぼれるような
 気がする、くさり、まきあげ式の、弟の食道を
 抜けて、海底ケーブルの
 端末にたどりつく
 眼球をくりぬく契約が
 見つかった、弟はわたしに
 深海植物を投げつけて、わたしは生きる
 まぶしい、いや、点滅する、
 水雷担当者のうで
 魚の、飾りたてられた表面に
 指の焼きごてと、

 「運搬」という文字の旗を確認する