元警視庁警察官黒木氏の本で、地元で勢力を誇る日産自動車と警察との癒着を描いている。金と権力の腐敗が、事件を刑事沙汰にしないための捜査放棄を引き起こし、結果日産の工員を死に至らしめたというのがこの本の説である。本書によれば、マスコミもまた警察に利用されていた。
日産は警察の天下り先であり、日産もまた警察に資金援助をつづけていたという。
容疑者たちはみな親に甘やかされて育ったというが、甘やかしと与えすぎがもっとも教育によくないと黒木氏は断言している。
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黒木氏のように、組織についての情報を収集し分析するためには、まず組織について知る必要がある。彼は二十三年間働いたのち、ジャーナリストに転職した。自分の経験に基づいて社会批評をおこなうにはそのくらいのキャリアが必要と思われる。