うちゅうてきなとりで

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『現代法学入門』

 法学の素人として入門する。レジュメをつくるように丁寧に読みつつまとめること。

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 法学は論理的な道筋を重視するので、こうした物の考え方をする訓練として最適である。

 法とは複雑な社会を安定させるための行為規範のひとつである。行為規範は当為の法則であり、これは「よりよい世界の構図をえがくものであって、現実と一致しない場合があるにもかかわらず妥当する」。また行為規範は人間の行為を規律する。

 道徳と法はかならずしも一致しない。法は、他の行為規範(流行、風習、道徳)と異なり、「社会における組織された力による強制と結びついた行為規範である」。

 法の目的の第一に法的安定性の確保があげられる。次に正義を実現することがあげられる。正義には平均的正義と配分的正義がある。平均的正義は人間の同位を主張し、私法の領域で実現される。配分的正義は社会生活における上下の秩序を樹立しようとするもので、公法の領域で妥当する。

 法は権利義務の体系であるともいえる。法には民法、刑法などの裁判規範、国の機関などを定める組織規範がある。

 裁判官は制度上の法源(成文法)と事実上の法源判例など)を基準として判断する。判決には判決理由と傍論があり、判例となるのは判決理由だけである。法の適用は三段論法に従ってなされる。

 概念法学が法を絶対視し杓子定規に解釈する考え方であり、自由法学が社会の実情に合わせ裁判官が柔軟に解釈する考え方である。公私の融合が進みつつある現在、公法と私法の分類は旧いものになりつつある。

 国家の三要素は領土・国民・主権であるといわれる。憲法を根幹とした法によって成立する国家という思想を立憲主義constitutionalismという。

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 犯罪と法(刑法)、家族生活と法(家族法)、財産関係と法(民法・商法)、労働と法(労働と法)のほか、国際法にも頁が割かれている。

 刑法における重要概念は罪刑法定主義(「法律なければ犯罪なし」)である。犯罪を構成するものを構成要件という。刑法では責任主義をとっており、責任能力のないものは刑罰を免じられる。また刑罰を科すことで人を犯罪から遠ざけることができるだろうという応報刑思想・功利主義的人間観がその根底にある。

 民法が一般市民間の、商法が会社および商取引の法である。民法においては人格、所有権、契約の自由が保障されており、過失責任の原則に基づく。

 ほか、各法典の詳細はいずれ読んでいくことにする。この本ではそのガイド要素が吸収できれば事足りる。

 国際法で重要なのは平等権と独立権である。国家を認定する確固たる手続きが定まっておらず、国家を認定する機関も存在しないというのは意外だった。

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 近代市民法とは端的に言えば資本主義社会の法であり、私的所有権を認め、個人に法人格を認めることをその特徴とする。

 大陸においては絶対王政に対抗するかたちでフランス民法典code civilが制定され、ドイツでは一九〇〇年、ローマ法の学説法に基づくドイツ民法典が制定された。英国では絶対王政が発展しなかったためcommon lawが近代法の原型となった。

 法は社会統制の術であるが、社会によってその内容は変化する。この法の発展にたいする解釈は自然法と歴史主義の二つの態度に分かれる。自然法は、実定法の上に理性から導き出された法を置き、この理想にあわせて実定法を批判する。歴史主義においては実定法を批判する基準が存在せず、法の発展は実定法秩序の内部でおこなわれるべきであると考える。

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 法学にまつわるものを広く概説したものなのでいちいちまとめてもしょうがないようだ。とことん上っ面をきわめたのが法なのだろうか。奇麗事と形式だけで成り立っているようにおもえる。

 

現代法学入門 (有斐閣双書)

現代法学入門 (有斐閣双書)