うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『金融のしくみ』

 金融入門として読む本。二〇〇二年に書かれたためか若干古い。また図解雑学『投資の仕組み』と重複する項目もある。

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 不良債権問題とはなんだったのか。まず不動産業界・建設業界が不況にともなう地価の下落によって大幅に資産を減らしてしまった。銀行から借りた金を返済できないので、これが不良債権となる。銀行が回収不透明の債権を抱えてしまったが、これを処分する、すなわち企業から強制的にとりたててすこしでもマイナスを補ってしまうと(最終処分)、企業が続々と倒産し、関連企業もその影響を受け、経済は悪化する。そこで投入されたのが銀行のバランスシートを整えるための公的資金である。とはいえ、公的資金があろうがなかろうが元凶がゼネコン業界にある事実は不変である。不良債権の最終処分をしないかぎり代償はわれわれの税金から払われてしまう。

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 銀行の役割は預金者と借り手とのあいだの金融仲介である。また借り手である企業の事業計画が合理的か、弁済能力があるかどうかは、情報を握る銀行が審査することができる。債権と債務が代金支払いによって消滅することを決済というが、銀行はこの決済をおこなうことができる。銀行の決済には一定期間のものを一括決済する時点ネット決済と、即時におこなう即時グロス決済がある。

 証券会社は株主と企業との直接金融を仲介する。

 株券stock,equity,にたいして、債権bondはより安全性が高い証券である。債権には償還期限が存在し、期限には元本が返済される。また、毎年規定回、定められた金利が支払われる。安全性が高いとはいえ債権にもリスクがある。発行元の信用にかかわる信用リスクと、金利にともなう金利リスクである。金利リスクの仕組みは「金利が上がれば債券価格が下がり、金利が下がれば債券価格が上がる」という結論で示される。

 デリバティブやオプションは高額取引のおこなわれる場だが、その担い手は冷戦崩壊に伴い金融工学に流れ込んできたロケット・サイエンティストたちである。彼らは機関投資家として活躍する。一方、一般個人向けに販売されている金融商品には詐欺まがいのものも多い。

 銀行は預金によって信用創造をおこなうことができる。預金準備の量に比例して貸し出しできる金額は増える。この原理に基づいて日銀が市中銀行から手形や債権を買い上げ預金準備を増やすことを買いオペという。

 証券取引所とは「会員資格を有する証券会社が、一定の条件(上場基準)を満たして取引所に上場された証券を、集中して売買する市場のこと」である。市場集中義務の撤廃、ネット取引の発達により競争が行われている。「企業が取引所を選択する時代」がやってきており、その分投資家も自己責任が増大するだろう。

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 金融の大原則……信用の高い相手には低金利で、信用のない相手には高金利で。

 金融の三つの変数が株式・債券(金利)・外国為替である。市場分析の原則、織込み済みの原則、ケインズ美人投票など、個々の用語は目に入るがなかなか全体的な理解がおぼつかない。ミクロをしっかりやっていないからか、経済と縁遠くてイメージがわかないのか、とにかく経済学徒とはとてもいえない。

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 後半は二〇〇〇年当時の古い内容が多かったので飛ばし読みした。