うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『図解雑学 投資のしくみ』

 図解雑学も三冊目だが、「投資」→「株」→「通貨と経済」とすすめていく。この本はミクロ、マクロとは異なりほんとうに純然たる雑学にとどまっている。学問の導入書ではない。図解イラストは前の二つよりおもしろい。

 こんなものはさっさと読みおわってスティグリッツを開始したほうがいい。

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 1 人はなぜ投資するのか

 投資の定義と簡単な歴史について。

 投資とは見返りを期待して他人に財産利用を任せることである。よって「自分に投資する」とは精確な意味での投資ではない。見返りの期待できないことがらは寄付といったほうがよい。預金は元本1000万までが保証されている。ギャンブルは運の要素が大きく、効率が悪い。この二つは投資とは異なる。価格の上下幅の変動が激しい投資商品への投資を投機という。

 史上初の投資はメソポタミアシュメール人による不動産投資である。メソポタミアやシュメールでは徳政令がしばしば出されたので資産家は貨幣ではなく不動産に投資していた。リディアで金属貨幣がつくられ、ギリシア、ローマで普及した。ここでは法律が権力者を超えていたので、徳政令を出す人間はいなかった。シーザーの同盟者クラッススは不動産で財産を築いた。彼は消防隊を結成し、前金をもらった家だけを消化し、全焼した家の土地を買い取りそこで不動産業を営んだ。

 株式は東インド会社がはじまりであり、日本の投資のはじまりは坂本龍馬である。東インド会社資金を元に多角経営を行い、航海が失敗してもカバーできるようにしていた。

 株式投資が大きく発展したのはアメリカの鉄道建設と石油掘削である。投資家の利便のため証券取引所(NYSE)がつくられた。上場することで投資家、会社双方の情報伝達が容易になった。

 インフレ経済からデフレ経済へ移行し、預貯金だけでは生活できなくなった日本で、投資が注目されるようになったのは必然である。

 情報収集と論理的な判断が投資には不可欠である。「恒心なくして恒産なし」。短期的な愉しみと長期的な財産形成を両立させる、ゆとりある年収を確保すること。
手元流動性が1.5というのは、現金とすぐ現金化できる預金が月収の1.5倍あるということで、この数値以上が健全だといわれる。五年、十年の長期資金には時間の余裕がある。

 増やせる利子をまったく増やせない預金もまたリスクである。リスクを選択すること。儲け話よりも失敗談に耳を傾けること。リスクヘッジとは手数料と引き換えにリスクを引き受けてくれるビジネスである。

 リスク分散のための資産の配分をポートフォリオといい、投資分野の比率を変えることを投資戦略、具体的な商品・銘柄を選ぶことを投資戦術という。資産運用の定型が崩れた今、投資に必要とされるのは自己責任原則、リスク把握、情報収集、精神の体力である。

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 利率、利子、利息、利回り、複利などの用語、預金の種類について。外貨預金の両替は為替レートに基づいて行われるが、ふだんニュースで示されるのは銀行間取引の基準値である。銀行が預金者にたいして外貨を売るレートをTTS、買うレートをTTBという。

 他債券や投資信託についての基礎知識が並べてある。信託銀行は信託会社と信託契約を結んでおり、ファンドマネジャーの指示に従って資産を動かす。投資信託は預金とは異なり元本保証はない。

 投信には追加型と単位型があるが、運用に支障をきたすので、どちらもすぐに解約したり換金することができない。日経平均株価TOPIX株価指数(インデックス)という。デリバティブ金融派生商品)という投信もある。

 株主は経営に参加でき一株一票の議決権をもつ。成行と指値資金、時間、精神すべてにおいて余裕のない人間は株をやるべきでない。

 

図解雑学 投資のしくみ (図解雑学シリーズ)

図解雑学 投資のしくみ (図解雑学シリーズ)