ベトナム戦争から帰ってきた作者が書いた兵隊の話。強力かつ危険な強化スーツを着用し、遠い惑星に遠征したのち、トーランとよばれる敵性宇宙人とたたかう。ウィリアム・マンデラたちはすぐれた頭脳ゆえに兵士にえらばれたエリートたちだが、訓練中につぎつぎと死亡する。
訓練の模様および行軍は一人称で簡潔に示される。縮潰星によるワープ航法などの背景知識は一パラグラフ程度しか割かれていない。
ワープ航法を使うことでマンデラの外部はどんどん時間を重ねていく。時間の差がインフレをおこし、外の世界では既に千年以上が経過していた。トーランとの戦いをおえて帰ってくるとすでに戦争は終わり、人類は紆余曲折を経てクローンの集合体となっていた。帰還兵のようなあっけにとられた状態を、作者らベトナム帰還兵も体感したのだろう。
マンデラの報告体で話は進むが、口調やジョークのせいか予想よりも軽快な雰囲気だった。
『永遠の戦い』とはいいながら、まともな戦闘の情景は二回だけ、大部分はワープによるウラシマ物語と、変貌する人類の説明に割かれている。人口制限のための同性愛推奨、医療の優先度設定などは面白い。