うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『Brighton Rock』Graham Greene

 剃刀と硫酸をもつチンピラ、ピンキーらが殺人を犯す。

 彼らは仲間割れを起こし、仲間の一人をピンキーが殺す。はじめの殺人には目撃者がおり、これがカトリック信者の女ローズである。ピンキーはローズが自分に好意を持つように仕向け、婚約させることで口封じを試みる。しかし、事件に偶然かかわった肥満の女のイーダは、野次馬根性からピンキーらをつかまえようと奔走する。

 お互いにカトリックであるため、ピンキーはローズに情が移り、車で心中しようとする。しかし、イーダのつれてきた警察に阻止される。ピンキーは結局自分の硫酸をあやまって顔にかぶり、そのまま断崖から転落する。

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 イーダは正義の名の下にローズらをしつこくつけまわし、ローズはカトリックを盲信し、ピンキーの犯罪行為をも肯定する。作者の意図は異なれど、盲目の人間たちが劇を繰り広げている印象が強かった。

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 これまで読んだグリーンの本は比較的知識階級が多く出てきたが、本書に出てくるのはチンピラやあまり頭のよくなさそうな女である。

 

Brighton Rock: (Penguin Classic Deluxe Edition) (Penguin Classics Deluxe)

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