うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『Child of God』Cormac McCarthy

 文がなまっていて、章も断片的、地の文とせりふも一体化しているので、はじめは注意深く読んでいかねばならない。しかし、独特のスタイルがおもしろい。

 レスター・バラードという男がいて、彼は幼少のころから頭がいささかおかしかった。また、女を殴って保安官に罰せられたこともあった。

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 あるとき、山を降りたバラードは、車のなかで死んでいる男女を発見する。バラードは男の死体をどかし、女の死体を犯す。死体を家に持ち帰るが、追手をまくために家を燃やし、死体とともに洞穴に移住する。

 その後は山を降りるたびに店員を射殺し、カーセックス中のカップルを襲撃して女を射殺し死姦する。彼はいつもライフルを持ち歩いており、背が小さく、射撃の腕だけは優れている。

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 この異常者のエピソードに対して、行方不明になった車の持ち主を捜索中の保安官たちの話は明るい。村の人びとは元気よく保安官に挨拶する。そのなかで一人の老人が昔話をはじめるが、これが"No country"にもつながるテーマをもっている。

 昔、二人の白装束が陰湿な犯罪を犯して絞首刑になったことがあったが、保安官は老人に対し、そのころより人びとは良くなっただろうかと訪ねる。老人は、否、と答える。人間は神がつくって以来変わることがない、と。

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 一度は保安官たちに包囲されるも、バラードはうまく洞穴に誘い込んで逃げる。洞穴の奥は狭く、小柄なバラードしかくぐることができなかったのだ。その後病院にたどり着いたバラードは、自分を収容してくれと頼み、死ぬまで精神病院で過ごす。

 

Child of God (Vintage International)

Child of God (Vintage International)