肩にいくつかのどうぶつが乗っかっているので
鏡の前に立ってよくみると、鳥類と、ねばねばした
赤い、または茶色い液状のものだとわかった それらが
何匹か、床のすきまから入りこんできた
のではなく、図鑑からでてきた、学名のすがたを
もってあらわれる
いきものをかうことはすばらしいことだといわれつづけている
わたしはねばねばしたかたまりを手のひらで
ぬぐいとった、だから手のひらはカエルじみたつくりに
なった
大きな塔があって、紙のたばを重ねて成り立っていた
気温が下がり、木が枯れはじめると、雲は泥をふくんだ
うすくひきのばされたまま動かなくなった
太陽の影が奥まったところで高速移動する、そのうごきを
整列したどうぶつの群が、頭部を
つねに正対させたまま記録する
きまりになっていた
口の大きなひとが、信号を出した、すると
あごがはずれ、金属の音が、鎖のように、一連の
波長にあわせてとびかい、火がついた
わたしは大きな塔が燃えて、火の粉に変形して
雲を追い散らしていくのを確認した、だから
すべての、もらえるものを粘菌に明け渡した